セントジョーンズワート(おとぎり草)について
セントジョーンズワート(St. John’s Wort)は、ヨーロッパ、北アフリカ原産の植物です。
その名前を日本語に訳すと、“バプティストのジョンの植物”という意味になります。
ヨーロッパでは、何百年もの間、一部の地域ではこの植物が悪の精神から人間を守ってくれる、
と信じられていました。
また、バプティストのジョンという人の誕生日(St.
John’s Day、6月24日)に、この植物を集めて、窓辺などに飾る習慣があったようです。
セントジョーンズワート(おとぎり草)の作用は、いくつかの抗うつ剤の作用と似ていると
いわれています。
医者がハーブを処方するヨーロッパでは、セントジョーンズワートは、20年程前から、
うつの治療に使われてきました。実際の薬品を上回る量が実際に処方されているようで、
経験的に、その効果は証明されています。
抗うつ剤を処方する場合は、副作用が問題になるケースもかなりあるのですが、それに比べて
副作用の少ないセントジョーンズワートは、医療関係者にとっても、患者様にとっても大変
使いやすいサプリメントといえます。
1990年代には、アメリカでもブームとなり、数々のサプリメントが売り出されるようになりました。
また、ヨーロッパでは、セントジョーンズワート(おとぎり草)は、通常、比較的軽度から中等度の
うつの方に対してのみ効果があるといわれています。
重症な方や、セントジョーンズワート(おとぎり草)で効果のない方は、必ず専門医に
相談してください。
どのようなメカニズムで効果があるのか、長期的な副作用は何か、ということに関しては
未知の部分も多いため、現在も研究が進行中です。
医薬品の抗うつ剤と作用、副作用が似ているといいわれていますので、
セントジョーンズワート(おとぎり草)と他の抗うつ剤との併用は、一般的にはお勧めできません。
併用をご希望の方は、まず、専門医に相談されることをお勧めします。
併用によって不眠等の副作用がでる場合があります。
現在、厚生省が発表している、セントジョーンズワートと併用すると、薬の効果が減少する
可能性があるものを下記にまとめてみましたので、これらの薬を飲んでいる方は、
参考になさってみて下さい。
インジナビル(抗HIV薬) ジゴキシン(強心薬) サイクロスポリン(免疫抑制薬)
テオフィリン(気管支拡張薬) ワーファリン(血液凝固防止薬)
フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール(抗てんかん薬)
経口避妊薬
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