最近では、大豆の健康に対する作用がクローズアップされ、大豆ブームになっていますね。
大豆に含まれる成分のうち、最近、最も注目されているもののひとつが大豆イソフラボンです。
大豆イソフラボンは、女性ホルモンと同じ成分ではないのですが、体内では女性ホルモンに似た働きをすると言われています。
最近では、ストレスなどのために若い女性にもホルモンのバランスが悪くなって、更年期症状に似た
症状が出現したりしています。更年期の女性は、もちろんホルモンバランスが悪くなっていますので、
これらの症状のある方が大豆イソフラボンを摂取すると、症状が軽くなる可能性がある、
と言われています。
まず、女性ホルモンが薬として用いられる場合の話をしたいと思います。
一般に、女性ホルモンの投与が有効とされる症状には、以下のようなものがあります。
更年期症状
骨粗しょう症
月経前症候群
その他ホルモンのアンバランス
しかし、女性ホルモンの投与が一般的になったために、長期投与による副作用の可能性が
付きまとうようになり、時には使用を控えざるを得ない状況が増えてきました。
その副作用とは、以下のようなものです。
子宮内膜癌
乳癌
下肢静脈血栓、その他血栓、塞栓症(心筋梗塞、脳梗塞を含む)狭心症等
女性にとって、症状を改善するために投与された女性ホルモンが、命に関わる病気を引き起こす(確率は低いのですが)、そんな皮肉な結果が認められるようになってきた訳です。女性ホルモンに似た作用を持つ大豆イソフラボンに熱い視線が向けられるようになった背景には、そんな医学的な事情もあるのではないかと思います。
大豆イソフラボンは女性ホルモンではありません。しかし、女性ホルモンと同じように働きます。
どのように働くのかについて、今も研究が進められています。
おそらく、女性ホルモンの受容体にくっついて女性ホルモンと同様の効果を生んでいるのではないか、と考えられています。今までの研究では、イソフラボンの女性ホルモンに似た作用は、女性ホルモンそのものよりは弱いことが解っています。
その長期的作用がどんなものであるのかを、アメリカのNIH(National Institute of Healthという国の
機関で厚生労働省のようなものです)では、45-65歳の女性を対象に全米各地で大々的に研究しています。
大豆加工品は長い間、日本人にとっての常食の一部でしたが、大豆にそんな成分が含まれていたとは意外ですね。大豆イソフラボンが、女性ホルモン補充療法で、女性ホルモンに取って代わる主役になれるのかどうか、これからが楽しみです。
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