1)サプリメントとは?
サプリメントとは、薬でもなく、かといって食品とも違うようなものという印象ですが、実際その定義は、今までかなり曖昧でした。最近になって日本でも健康補助食品などの定義と効果が取りざたされるようになり、健康のお手伝いをする食品として、その存在を認められつつあります。
2)ハーブ(サプリメントの代表選手)について
ハーブの歴史をひもといてみると、それは大抵昔から食事の味付けや薬草、
お茶として使われていた植物です。ハーブは横文字ですが、日本でも香草として、料理の香り付けや味付け、薬草として昔から使われてきたものが沢山あります。それらの植物を乾燥させたり加工したりして、保存や管理をしやすく錠剤やカプセルなどの形にしたりしたものを一般的にサプリメントと呼んでいます。
現在でも、世界中のさまざまな植物が、その土地特有の食生活に取り入れられ、薬草として活用されていますが、その中で、いくつかのものは有効成分のみを抽出することで、かなり昔から、すでに薬として販売されて利用されています。
現在、日本の病院で使われている薬の中にも、もとをただせば、古来の薬草が起源というものもあります。
例えば、心臓病につかうジギタリスや、痛み止めのアスピリン、モルヒネなどは、植物由来の物質です。また抗生物質などは、植物どころか、カビから見つかった成分です。漢方薬の主役もたくさんの種類の植物です。
それでは、どうして同じ植物なのに薬として格上げされるものと、そうでないものが出てくるのでしょうか?
その理由はいろいろあると思います。
例えば、有効成分が非常に微量であるとか、まだ成分がよく分析されていないなど、その作用が未知の植物もまだ存在しているでしょうし、いろいろな成分が混在していて、作用も多様で一言では言い表せないようなものや、有効性分の分析が非常に難しい構造のものであったりなどの理由もあります。
すでに存在する薬剤と成分は似ているが、そこまでは有効ではない場合もあります。
では、成分がよくわからないまま、ハーブのサプリメントを使っても良いのだろうか?という疑問も湧いてきます。
ほとんどのハーブに関しては、成分は研究されていて、食品として認可されてたり、有効成分が抽出、合成されることで薬として利用されていたりします。
成分がはっきりしないものに関しても、これからさらに研究が続けられ、徐々に成分もわかってくるのではないかと思います。
実際、私たちは、つい最近まで、成分がわからないまま、先祖が食べていたもの、すなわち、経験的に安全と思われる物を食べてきました。科学的に栄養などについて取りざたされるようになったのは、本当に最近のことです。
例えば、おばあちゃんの知恵である「梅干は、胃に良い」についてですが、最近になって「梅干には、胃潰瘍の原因のピロリ菌を殺菌できる効果がある」と科学的に証明されています。
私たちの食べ物やハーブの薬効・成分は、科学の発展とともにさらに明らかになって行くのではないかと思います。
3)副作用について
「ハーブのサプリメントには、副作用ない、なんて広告を目にすることがありますが、本当なのでしょうか?答えはノーです。
副作用とは、本来良い目的のために行った治療が生活や身体に支障を及ぼす、もしくは別の病気を引き起こす場合の作用のことをいいます。一般的な薬の副作用には、頭痛、吐き気等がありますね。でも、たとえ薬でなくとも、どんな食べ物でも飲み物でも度が過ぎれば、身体を悪くすることがあるのは、みなさんご承知の通りかと思います。
例えば、お茶やコーヒーを飲みすぎれば、カフェインやカフェイン類似物質のために、夜眠れなくなります。
夜眠りたいのに眠れないのは、お茶やコーヒーの副作用と言ってよいでしょう。しかし朝飲めば、目覚ましとなって良い効果を発揮しますし、食後に飲めば、胃が落ち着き、くつろいだ気分になることができます。このような良い作用を副作用とは呼びません。
すなわち、サプリメントを使用するとき、一番大切なのは、いつ、どのような目的で、どんな人がサプリメントの良い作用を必要とするか、ということになります。
若い人には良い効果があっても、お年寄りの場合は体が悪くなるものもありますし、朝向きのハーブもあれば、夜向きのものもあります。そのような知識をしっかり身につけて、自分に合ったサプリメントを選び、正しく使っていけば、サプリメントは健康だけでなく、生活を豊かにする手助けをできる大きな見方になるのです。
|