■■ ダーマドローム??
湿疹や蕁麻疹などで、原因がよくわからない皮膚病というものも
結構ありますが、そのようなとき患者さんから
「先生、これは内臓からきているんでしょうか?」
と聞かれることがたびたびあります。
通常、外用剤ですぐ良くなるような皮膚病でそのようなことはほとんどありません。
ただし、内臓と関連する症状が皮膚に現れる(=ダーマドロームという)ことが
まれにあります。
〜胃腸の調子が悪く検査を受けてガンが発見された男性の例〜
数ヶ月前からみぞおちの辺りにしみが多くできるようになったのですが、
症状が特に無かったので気にしていなかったそうです。
みぞおち周辺にのみ、まだらにしみが多数ありました。
顔や肩のように日焼けしやすい箇所ならしみが多くできるのもわかりますが
みぞおち周囲に日焼けは全くありませんでした。
このように、最も分かりやすいのは、ガンに侵された臓器の表面の皮膚に何らかの異常が起こることです。
また、その臓器の表面ではなく離れた場所に皮膚の異常が見られることもあります。
これらの理由としては、ガンの皮膚転移(つまり皮膚ガンが生じる)ということもありますが
これとは別に、単に皮膚に異常が生じることもあります。後者の場合、症状としては
老化現象のような症状(しみ、イボ、つやが無くなる、など)として現れることが多いようです。
〜C型肝炎からガンへ移行してしまった男性の例〜
若いころC型肝炎にかかり、20年ほど経過したのち、蕁麻疹がたびたび出るようになったそうです。
蕁麻疹は炎症の程度が強いのか、1日程度で引いたあと強い色素沈着を残しました。
また体調のだるさを訴たため、精密検査を行ったところ、肝ガンであることがわかりました。
■■ まず医師にご相談を
上記のような悪性の病気ではない、ごくありふれた病気にもダーマドロームとして
現れる症状はたびたびあります。
ダーマドロームは自覚症状(かゆみ・痛みなど)が無い場合、元の病気が
発見されてから初めて気づかれることもしばしばです。
もしもなかなか良くならない皮膚症状がある場合は、気軽に皮膚科にてご相談されるのをお勧めいたします。
精密検査など必要と考えられる場合は大きな病院を紹介してくれるはずです。
※)日本人は大病院志向といわれ、水虫でも大学病院など大きな病院を受診したがる人が多いと言われていますが
まずは近くのホームドクターにみてもらいましょう。そのほうが気軽にいろいろと聞けるはずです。
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